米国では、男女ともに肺癌(がん)が癌による死因の第1位となっており、早期発見が重大な目標となっているが、簡単で安価な呼気検査で将来、肺癌を検出できる可能性が医学誌「Thorax」オンライン版に報告された。
ヒトの呼気には、揮発性有機化合物(VOC)と呼ばれるさまざまな化学物質が含まれている。このVOCが疾患によって変化すると考えられており、これを検知する簡単かつ正確な方法の登場が望まれていた。
今回の研究で、米クリーブランド・クリニック(オハイオ州)のPeter Mazzone博士らが用いた「比色(ひしょく)センサーアレイ」は、5セント硬貨ほどの大きさで、それぞれ異なる化学物質で作られた36個のドットがついており、吸収する化学物質によってドットの色が変化する。小細胞肺癌を含む呼吸器疾患患者122人および健康なボランティア21人の呼気にこのセンサーを使用したところ、75%弱の精度で肺癌の存在を予測できたという。
米Lenox Hill病院(ニューヨーク)のLen Horovitz博士はこの技術について、有望だが、望むほどの特異性や感度はないとしている。患者の呼気から肺癌を検知するのに最も優れているのはイヌの嗅覚で、予備研究では99%の精度を示している。
Mazzone氏は「今回の技術を改良すれば、イヌと同じことができる」が、研究にはさらに5〜10年を要すると述べている。このほかにも、癌の「マーカー」を検知するものなど、呼気による肺癌検査法がさまざまな開発段階にあるという。