医療従事者の方、患者さん、そのご家族の方を対象に、一般医薬品と医療用医薬品について解説しています。

千葉県の船橋市立医療センターは22日、同県内の50歳代の男性が、主に牛の病気の原因とされる「気腫疽菌(きしゅそきん)」に感染し、死亡したことを明らかにした。

気腫疽菌は破傷風菌の仲間で、通常は土の中などに存在する。人への感染が報告されたのは世界初という。

同センターによると、気腫疽菌は、傷口などから動物の体内に入り、筋肉が壊死する「気腫疽」を発症させる。若い牛や羊に発症例が多く、致死率は非常に高いとされる。

死亡した男性は2006年2月、高熱と胸の打撲傷で、同センターに搬送された。男性は搬送時、既に心肺停止状態で、すぐに死亡。のどの炎症を起こし、体全体が膨れ上がり、特に肺の膨張が著しかったため、男性の肺の組織を調べると、気腫疽菌が検出され、肺の筋肉が壊死(えし)していた。

気腫疽菌(きしゅそきん)
気腫疽の病原体であり、土壌及び動物の体内に広く分布し、偏性嫌気性、グラム陽性有芽胞菌群として特徴的なクロストリジウム属菌の一つである。
本菌は、鞭毛を持ち、両端鈍円のグラム陽性大型桿菌で、球状の端在性芽胞を形成する。芽胞は100℃、30分以上加熱しないと死滅しない。マウスに致死性の外毒素を産生する。この毒素を用いて気腫疽の血清学的診断に応用される。

本病は土壌病の一種で、土壌に含まれる本菌の芽胞が創傷部及び消化管に侵入することにより発症する。致死率が非常に高い病気であり、主に反芻獣に感染し、感染すると突然の高熱、元気消失、反芻停止を示す。
また、多肉部及び四肢に腫瘤形成する。症状が悪化すると呼吸困難、頻脈となり1〜2日で死亡する。本病は6ヶ月齢から3歳のの若い牛に発症例が目立ち、春から秋にかけての発生が多い。