医療従事者の方、患者さん、そのご家族の方を対象に、一般医薬品と医療用医薬品について解説しています。

宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠泌尿器科部長らによる病腎移植問題で、万波部長がB型肝炎ウイルス検査や梅毒の抗体検査で陽性だった患者から摘出された腎臓を、前任の市立宇和島病院で移植に使っていたことが17日、分かった。

関係者によると、万波部長はB型肝炎ウイルスの血液検査で陽性だったネフローゼの患者から摘出された両方の腎臓を、2人に移植した。B型肝炎は感染して慢性化すると、肝硬変や肝臓がんに進行する恐れがある。

同病院の調査に対し、万波部長は「移植する際、感染症のことを(患者に)口頭で説明した」と話しているという。

また平成15年2月に三原赤十字病院(広島県三原市)で尿管がんのため腎臓を摘出した70歳代の男性(その後、死亡)は、梅毒の抗体検査で陽性だったが同様に移植に使ったという。

男性の元主治医(45)は「梅毒は1回でもかかれば抗体ができて、その『痕跡』が体に残る。詳しく調べたところ、病原菌はいないと判断できるほど数値は低かったので、移植に使えると判断した」と説明している。

万波部長はほかに、7年に腎臓が化膿(かのう)する感染症の腎膿瘍(のうよう)の女性から摘出された腎臓も移植に使用。患者は術後1カ月で腎機能が低下し、人工透析治療に戻ったという。

厚生労働省は死体からの腎臓提供の基準で、エイズウイルスやB型肝炎ウイルスの検査が陽性の場合や、がんの患者は臓器提供できないと通知している。生体移植の規定はないが、移植医療の専門家は「移植では大量の免疫抑制剤を使うため、患者に感染する可能性が高まる。考えられない」と指摘している。